なるほど豆知識
2016.12 vol.44 「お年玉」の由来を知ろう!
子どもたちにとって、お正月の楽しみのひとつが「お年玉」。 そもそも「お年玉」とは何か、どんな意味があるのか、 「お年玉」の由来を知り、正月行事本来の深い意味をしりましょう。 |
お年玉の由来
現在のお年玉はお金が主流ですが、もともとは「お餅」でした。でも、単なるお餅ではありません。なぜならそれは、「魂」を象徴するものだったからです。魂と聞くとビックリしますが、「生きる力」「気力」などを意味しています。昔は、年の初めに年神様から新年の魂を分けていただく、つまり、毎年一年分の力を授かると考えられていたのです。
そもそも一連のお正月行事というのは、新年の神様である「年神様」を家に迎えて・もてなし・見送るための行事です。年神様は新しい年の幸福や恵みとともに、私たちに魂を分けてくださると考えられてきました。毎年分けていただいた魂を足して数えていけば、それが年齢になります。お母さんのお腹の中にいるときにすでに魂があるから生まれたときは1歳と考え、その後は元旦がくるたびにみんな一斉に年をとると考えるのが「数え年」です。
~年神様から魂をいただく方法~ 鏡餅は年神様の依り代なので、家にいらした年神様は鏡餅に依りつきます。すると、鏡餅には年神様の「御魂(みたま)」がやどります。この鏡餅の餅玉が、年神様の御魂であり、その年の魂となる「年魂」です。そして、年魂をあらわす餅玉を、家長が家族に「御年魂」「御年玉」として分け与えました。これがお年玉のルーツです。玉には魂という意味があったのです。 この餅玉を食べるための料理が「お雑煮」で、餅を食べることで体に魂を取り込みました。ですから、お雑煮には必ず餅が入っており、お雑煮を食べないと正月を迎えた気がしないという感覚も間違っていないのです。 |
お年玉の返還~お餅からお金へ~
お年玉がいつから始まったのかは諸説ありますが、江戸時代には庶民にも浸透していたといわれています。また、お餅だけでなく品物やお金を渡すこともあり、こうした年始の贈り物を「お年玉」と称するようになりました。
お年玉の風習は明治,大正,昭和と受け継がれていきましたが、昭和30年代後半の高度経済成長期ごろから、都市部を中心にお金が主流になっていき、贈る相手も専ら子どもになったと言われています。
お年玉は家長から家族へ、主人から使用人へ、師匠から弟子へといった具合に、目上から目下へ渡すものなので、それ以外の場合には「御年賀」「御年始」などを用います。従って、大人のやりとりにお年玉を用いることが減り、子どもへあげる風習へと変化していきました。
お年玉のマナー
基本的には、お年玉をあげるのは、親戚や親しい間柄の子供だけです。
<お年玉袋の書き方>~あげる相手別~
●目上の人の子供に→「お年賀」として図書券などの品物を渡す。 「お年玉」は本来は上の人が下の人にあげるものなので、たとえ子どもでも上司の子どもにあげるのは失礼に当たります。「お年賀」として品物をあげるのが良いでしょう。 |
●小さな子どもに→ひらがなで「おめでとう」「おとしだま」等。 左上に「〇〇ちゃんへ」等、子どもの名を書くと良いでしょう。また、お菓子や絵本・おもちゃなどをお年玉代わりにあげるのも良いでしょう。 |
●お年寄りやご両親に→のし袋の表書きは「お年賀」。 現金収入の少ないお年寄りや、ご両親には感謝の気持ちを込めて。 |
ポチ袋について
「ぽち」とは、関西地方で雇い人や芸者・芸妓、茶屋女に渡す心付け、祝儀・チップのことをさします。これを入れる袋が「ぽち袋」と呼ばれていたのが、お年玉の袋にいつしか使われるようになりました。
お年玉をあげる年齢
お年玉をあげる年齢に正式な決まりはありません。以下を基準にして決めます。地域によっても異なりますが、家庭内や親族で相談して決めると良いでしょう。
【何歳からあげる?】 ①祖父母から孫には0歳からあげるのが一般的。 ②甥姪、あるいは友人知人の子には3歳くらいからあげるのが一般的です。小さい子 の場合には現金にこだわらず、お菓子やおもちゃなどをあげる家庭もあるようです。 ③現金でのお年玉は幼稚園に入園してからあげるという家庭もあります。 ④家族や親族と相談して「〇歳からあげる」と決めている家庭もあります。 |
【何歳まであげる?】 ①学生のうちはあげる(社会人になるまではあげる)のが一般的。 ②親族の場合には、自分の子どもがもらった年齢までお年玉をあげる。 ③自分がもらっていた年齢まではあげる。 ④家庭によっては大学生になったらあげないという家庭もあります。 |
お年玉の渡す期間
お年玉をあげる期間は松の内
元旦(1月1日)から1月7日までとされています。
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