なるほど豆知識vol.46「七草粥と春の七草!」

 

なるほど豆知識

2017.1 vol.46「七草粥と春の七草!」

 1月7日の朝、「七草粥」を食べる習慣があります。どうして「七草粥」を食べるのでしょうか。今回は「七草粥」「春の七草」についてご紹介します。

 

「七草粥」の由来

 もともと1月7日は、3月3日の「桃の節句」などと並ぶ「五節句」のひとつで、「人の日」の節句です。古来、中国では吉凶を占い、1年間の無病息災を祈る日だったといいます。そのため、特別な椀に野草を入れた吸い物をこしらえる風習がありました。これが日本に伝わったのが、平安時代初期です。しかし、当時は野草ではなく、米・アワ・キビ・ヒエ・ミノ・ゴマ・アズキの「七穀」を入れるのが通常のパターンでした。穀物が野草へと姿を変えたのは、鎌倉時代のことです。普段から、庶民に親しまれている「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」が登場しました。
それぞれ名や形から縁起物とされ、尊ばれていました。

 セリ…競り勝つ        ナズナ…なでて汚れをはらう
 ゴギョウ…
仏体        
ホトケノザ…仏の安座
 ハコベラ…繁栄がはびこる   スズナ…神様を呼ぶ鈴
 スズシロ…汚れのない純白さ

 七草粥は春の七草とは限りません。もともとは7種類のものであり、春の七草になったのは後世のこと。春の七草に限らず、7種類の野菜を入れて作る地方や、野菜以外の具やお餅を入れて7種類とするところもあります。春の七草が手に入らなければ、冷蔵庫にあるネギ・ホウレンソウ・ミツバなど、お好きな野菜でOK。できるだけ新鮮な若菜を使うと、自然界から新しい生命力をいただくという本来のコンセプトにマッチします。

 

「春の七草」について

 実は「七草粥」は現代人にとってもありがたいダイエット食!カロリーは1杯で約140kcalと低く、意外な薬膳効果も秘められているのです。

 

-芹(セリ)-

効能解熱,食欲増進,リウマチ,貧血症などに良い,ビタミンが豊富
解説寒気に強い草で、セリ科の多年草。日本全国に分布して、
野菜として栽培もされています。湿地や湿原など水辺に多く自生しています。

-薺(ナズナ)-

効能胃腸を整える,目にも良い
解説アブラナ科の2年草で全国に分布。三味線のバチに似ていることから三味線草・ぺんぺん草とも呼ばれています。空き地や川の土手、道端などに生えています。

-御形(ゴギョウ)-

効能咳止め,痰を切る,利尿作用などに良い
解説キク科の2年草で、ハハコグサとも呼ばれ、草餅の元祖。秋に目を出し、翌年の早春に田のあぜ道などに黄色い花をつけます。煎じて飲めば、喘息の咳を止め、痰も切り、風邪の予防薬として利用されてきました。

-仏の座(ホトケノザ)-

効能アトピー改善に良い
解説キク科の2年草で、タビラコともいいます。円座をなして地面にへばりつくように、草むらや田のあぜ道などに自生しています。煎じて飲むとアトピー性皮膚炎によいとされています。

-繁縷(ハコベラ)-

効能切り傷,歯槽膿漏,痛み止めに良い
解説ナデシコ科の2年草で、ハコベともいいます。全国に分布しており、茎は蔓状に地をはって広がります。江戸時代にはハコベラをすりつぶして塩を加え歯に塗ると、虫歯の痛みに効くとして流行したそうです。

-菘(スズナ)-

効能利尿,便秘,鎮静作用などに良い
解説
アブラナ科の1年草で、カブのこと。カブの根の部分が鈴がついたように見えることから、この名で呼ばれています。

-蘿蔔(スズシロ)-

効能消化促進,風邪の特効薬といわれている
解説アブラナ科の1年草で、ダイコンのこと。七草粥には大きく成長したダイコンではなく、小型のものを使います。風邪の諸症状や、胃のもたれ、胸やけに最適です。

疲れた胃腸に!七草粥のレシピ!

<材料2人分>
〇七草セット…1/2パック
〇米    …1/4カップ
〇水    …2と1/2カップ
〇塩    …少々

<レシピ>
すずしろ、すずなを小さめの角切りに。他の七草はザク切りに。
鍋に米・水・塩を加えて中火にかける。沸騰してきたら弱火に、常にかき混ぜながら15分ほど煮る。
米がやわらかくなり、とろみがついたら塩を少し入れ、すずしろ・すずなを入れ好みの固さになるよう煮る。他の七草を加えてひと煮立ちさせ完成。

 

苦手な人におすすめ!七草粥アレンジレシピ!

<中華風にプラスする材料(2人分)>
〇酒…大さじ1
〇鶏ガラスープ(顆粒)…大さじ1~1.5
〇中華だし(顆粒)
…小さじ2
〇塩…小さじ1/4
〇ごま油…小さじ1
〇釜揚げシラス…小1パック
〇卵…1個

<レシピ>
七草は下茹でしておく。下茹ですると青臭いえぐみが無くなる。
鍋に水と冷やご飯を入れて火にかけ、酒・鶏ガラスープ・中華だし・塩で味付け。沸騰したら、弱火でとろみがつくまで5~10分程煮る。
シラスと茹でておいた七草を加えて混ぜ、ごま油を加える。
溶き卵を回し入れ、かき混ぜてフタをする。火を消して蒸らし卵が固まったら完成。

 

 

株式会社 オールアバウト:暮らしの歳時記
七草研究会:七草粥の効能
ロケットバンチャー株式会社:4MEEE     より