なるほど豆知識vol.78「ワインを知り、楽しもう!」

なるほど豆知識

2020.11 vol.78 ワインを知り、楽しもう!

ワイン」とは?

 お酒は原材料が「穀物か、果実か」製法が「醸造か、蒸溜か」の大きく4つのタイプに分類されます。その中で、ワインは「果実」原料の「醸造酒」になります。

 蒸留酒をつくるためにはまず醸造酒をつくって、それを蒸溜する必要があります。ワインを蒸溜してできるお酒が「ブランデー」です。混成酒はどのタイプのお酒からもつくられるもので、お酒にハーブや果実などの成分を抽出したものです。日本で最もよく知られているものとしては「梅酒」が挙げられます。

 アルコールは原料に含まれる糖分が酵母の働きによってアルコールと炭酸ガスに分類されることで生まれます。もともと糖分を含んでいない「穀物」をそのまま置いておいても、決してお酒になることはありませんが、「ぶどう」にはもともと糖分が含まれているので、潰して置いておくだけでも、条件が整えば自然に発酵してワインになります。

 また、穀物をお酒にする場合には必ず仕込み水が必要になり、その味わいが出来上がるお酒の味わに大きな影響を与えます。それに対してワインの場合、ぶどうがそのままワインに変化するので、原料であるぶどうの出来・不出来が大変重要になってきます。

 

さまざまな「ワイン」

 

ワインは最古のお酒?

 最古のワインに関する記述は「ギルガメシュ叙事詩」(紀元前2000年頃)と言われ、エジプトのピラミッドもぶどう栽培を描いた壁画が見つかっています。旧約聖書にも箱舟の「ノア」がワインを飲んで酔っ払ったという記述があります。

 記録には残っていませんが、それ以前から人類はワインをつくっていたと考えられています。近年、ジョージアで紀元前6000年頃のワイン製造の跡が発見されました。

 ワインは穀物原料のお酒(ビールや日本酒)と比べると、作るための工程(糖化)が一つ少なく、酵母もぶどうの皮に自然に付着しているため、添加の必要がありません。「ぶどうを放置すればそのままワインになる」とも言えるため、他のお酒よりも歴史が古いのです。

 

「日本ワイン」

 「日本ワイン」「国産ワイン」の違いをご存じですか?

 「日本ワイン」という言葉ができたのは最近で、2015年のことです。元々、日本には国産から海外産まで、いろいろなぶどうを使ったワインがありました。しかし、このままでは消費者が二つのワインを見分けづらいということで、明確な基準を設けることになりました。

 また、「日本ワイン」を定義するのと同時に、産地名・ぶどう品種・収穫年に関してもルールが設けられました。産地に関しては、地域で育てたぶどうを85%以上使用した場合に限り、産地名をラベル表示できるようになりました。

 ワインは、その土地の気候風土を表すといわれています。産地が変われば、風味も変わってきます。「日本ワイン」は日本の穏やかな気候を反映した穏やかな味わいがするといわれていて、和食にもよく合う繊細な味わいは、国産のぶどうを使用しているからこそ出せるものです。

 

日本の主なワイン生産地

 

サントリーホールディングス株式会社:サントリースクエア     
株式会社ウェブライダー:美味しいワイン             
北海道果樹協会:北海道でできる「ぶどう」品種商会        
株式会社アルプス:アルプスワインの製造販売         より