なるほど豆知識
2015.12 vol.33 年賀状を知ろう!
年末に向けて準備をする中のひとつが「年賀状」。今ではパソコンなどでも簡単に
作れます。送られてくる年賀状を見るのも、楽しみのひとつですよね。
今回は「年賀状」についてご紹介します。
年賀状の歴史
年賀状の始まりは、平安時代に遡ると言われています。誰が
最初に年賀状を出したのかなどの史料は残っていませんが、 7世紀に起こった大化の改新後「飛駅使」という伝令書を 届けるための機関が設けられました。日本で手紙のやり取り がされるようになったのは、これ以降のことであると見られ ています。平安時代の貴族・藤原明衡がまとめた手紙の文例 集の中には、年始の挨拶の文例がありました。この頃には 一部の貴族が年始の挨拶を手紙で行っていたことが判ります。 庶民の間で広まってきたのは江戸時代で、町飛脚などを使って 町人などが手紙を出すようになりました。明治時代になって 郵便事業の創業や郵便はがきの発行などにより、より広く 広まっていったと言われています。 |
年賀状を送る意義
もともと、年賀状は年賀のあいさつに行きたいけれど、遠くていけない人に挨拶を
する目的で始まったもの、つまりは「礼儀」です。ただ、現代の年賀状には礼儀以外
にも多くの意義が含まれています。自分の近況や現住所などの連絡、普段はなかなか
連絡を取らないけれど、年賀状を出すことで自分が今どうしていて、どこに住んで
いるということを相手に知らせることなどができます。それによってまた来年も
年賀状を出すべきか、そうでないかなどの判断材料にもなります。さらに昨年お世話
になったことへのお礼です。社会人になると、マナーの一環として年賀状を書く方は
多いようです。
年賀状を書こう!
<表>
あて名 | 住所の一文字分下の位置から書き始める | |
あて名は、ハガキの中央にいちばん大きく書きま
しょう。書きはじめる位置は、住所の一文字分くらい 下からにすると、見た目のバランスがよくなります。 |
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住所 | ||
ハガキの端ギリギリから書くのはあまり美しく
ありません。端は1㎝ほどあけるようにしましょう。 |
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表に自分の名前を書く場合はあて名の「様」より
下の位置で終わるように |
||
自分の名前の終わる位置が、あて名の「様」より
も上になるのは、書式上のマナー違反です。 |
<表>
賀詞 | 目上の人に出す年賀状に使う
賀詞はきちんと選んで |
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新年のあいさつにあたる言葉の
「賀詞」は必ず最初に書きます。 右上の、端を1㎝ほどあけたところ から、いちばん大きな文字で書きま しょう。なお「迎春」「賀正」など はカジュアルな表現なので、目上の 人に使うのは避けましょう。 ○誰に対しても使える賀詞 「謹賀新年」「恭賀新年」「謹ん で新年のごあいさつを申し上げま す」など ×目上の人には使えない賀詞 「迎春」「賀正」「慶春」など |
|||
ひと言 |
気持ちを伝えるために必ず 手書きのひと言を添えて |
添文・日付 | |
最近は、パソコンでも手軽に年賀状
をつくれますが、それだけでは味気な いですね。ちょっとした手書きのひと 言を加えるだけでこちらの誠意が伝わ ります。内容は、相手の状況を気づか った、なるべく具体的なもの が望ま しいでしょう。 |
添文は賀詞より少し下の位置から
書きはじめましょう。さらに添文 から一文字分ほど下げた位置に 日付を。なお、「一月一日 元旦」 と書くのは意味が重複しています。 「一月一日」か「元旦」のどちらかに。 |
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年賀状を出す前に年賀欠礼をもらったら、 すぐにハガキや電話でお悔やみを |
年賀欠礼状をもらい、相手の不幸を知らなかったのなら、その時点ですぐに
ハガキや電話でお悔やみの言葉を伝えるのが礼儀。ただ、不幸な出来事なので 「すぐに連絡するのは気が引ける」という人は、新年の「松の内」(元旦~ 7日)を過ぎたら「寒中見舞い」としてハガキを出してもいいでしょう。 |
株式会社 キタムラ:年賀状の豆知識
株式会社 扶桑者:覚えておきたい!暮らしの基本100 より