なるほど豆知識vol.75「海の不思議」

なるほど豆知識

2020.8 vol.75 海の不思議

海水しょっぱい理由

  海の成分  

 海水には、塩素・ナトリウム・硫黄・マグネシウム・カルシウム・カリウム・炭素・窒素などの元素が溶けています。このうちの85%を占めるのが塩素とナトリウムです。すなわち、食塩の主成分である塩化ナトリウムが溶けているから、塩辛いのです。

 

  海の誕生  

 では、なぜ塩が溶けているのでしょうか?

 46億年前、生まれたばかりの地球では岩石がとけたマグマの海が地表をおおっていました。また、蒸気や窒素、二酸化炭素などのガスでできた原始大気が空をおおっていました。やがて、地球の温度が急に下がってくると、原始大気の中にふくまれていた水蒸気が雨となり、地上に降りそそぐようになりました。地球全体が大雨の時代となったのです。

 雨が地表を冷やし、地表が冷えると原始大気が冷えてさらに雨が降ったので、年間の雨量は10mをこえる、すさまじい大雨だったと考えられます。この大雨が1000年近くもつづき、現在の海のもととなる原子の海が生まれたのです。原子の海は雨にとけた塩酸なども流れ込んだので、はじめ酸性で、とても生物の住める環境ではなかったようです。

 酸性の海水は、その後、地表のカルシウム、鉄、ナトリウムなどをだんだん溶かし、現在のような中性の海水になっていきました。つまり、塩素を含んだ水にナトリウムが溶け、塩化ナトリウムを含む水ができたのです。

 

お盆の海水浴はココ危険

 

▲ 海水の温度 ▲
 お盆の海水浴で事故が増える原因の一つに「海水の温度」があります。
 海面に近いところは太陽の光によって海水の温度が高くなっています。しかし、太陽の光が届きづらい海の深くになると、急に水温が低くなり、驚くほど冷たくなります。
 この温度変化により、例えば「水中で足がつる」「心臓麻痺」などが起こり、おぼれてしまうような事故が実際に起きてきます。
 特に気をつけてほしいのが「心臓麻痺」です。飲酒してから海に入ると水温の変化に体がビックリして、心臓麻痺を起こすことがあります。

 

▲ 離岸流 ▲
 波が起きに戻ろうとするときの強い流れのことを「離岸流(リガンリュウ)」といいます。流れの速さは1秒で約2m進み、あっという間に沖へ流されてしまいます。子どもの場合は、浮き輪ごと流されてしまうことがあります。
 離岸流に流されたときの対処法を覚えておきましょう。パニックになってしまうと、水を飲んでしまったり、体力を使ってしまい危険です。
 まずは流れに逆らわず『岸と平行に泳ぐ』、こうすることで離岸流から抜けることができます。それから、岸へもどりましょう。

 

▲ 土用波 ▲
 沖合で発生した台風の影響で「うねりが強い高い波」が起こることを「土用波(ドヨウナミ)」といいます。泳ぎが得意な人でも土用波には流されてしまう可能性が高いです。
 サーファーの方には喜ばれる波ですが、普通の海水浴客には危険なので、この波が起きている時は海に近づかないように気をつけましょう。

 

 

 波はなぜおこる? 

  風によるもの  

 海水が風に吹かれることにより、波が発生します。風の力というのは、地球規模で考えるととても大きく、海岸にうち寄せる波の大きな原因の一つと考えられています。

 地球には、図のように「常に吹く風」が存在します。これらの風に、海水が強く吹き付けられることにより、波がおこります。そして、海水はおきた波をゆらゆらと遠くまで伝える性質があるため、遠くの海岸まで到達し、砂浜などへうち寄せるのです。

 風の穏やかな日は波も静かで、嵐や台風などの風の強い日は、波も強く大きくなります。

 

  海水の動きによるもの  

 月の引力によって海水が引き寄せられ「満潮」「干潮」の影響が出てきます。また、地球の自転や公転などの影響によって、地球のそのものが動くことで水も動いているのです。

 例えば、水の張った水槽を揺らして動かすと、中に入っている水にも動きが生じます。これと同様に、海水の入れ物である地球が動くことによって海水も動き、波が発生します。

 

 

(公財)日本海事広報協会:海の自然のなるほど「海の誕生」

株式会社 誠文堂新光社:子供の科学のWEBサイト「コカねっと!」

知らなきゃ損するAtoZ:お盆の海水浴は危険?お盆過ぎはもっとダメ?その理由とは!?

理科室:波はなぜおきる?                      より