なるほど豆知識
2018.1 vol.56 世界のお正月!
みなさん、お正月はどのように過ごしていますか?初詣に行ったり、家族が集まりおせちを食べたり…が伝統的な日本のお正月の過ごし方です。では外国ではどうでしょうか?新年の迎え方、風習、食べ物など、日本とはちょっと違う世界各国のお正月をご紹介します。
アメリカ
Happy New Year(ハッピー ニュー イヤー)
◆カウントダウンは盛り上がる
欧米のお正月は、年が変わった瞬間のカウントダウンがメインです。ニューヨークやロンドンのカウントダウンが有名ですが、年が明けた瞬間に大きなボールが落ちる「Ball Drop」の後に花火が上がるのが一般的です。現地に行って盛り上がるのはもちろんですが、家で飲みながらテレビで中継を見るパーティを開く人も多いようです。
◆正月気分は1日だけ!?
日本では元日だけでなく、しばらくの間はお正月の雰囲気が街中に漂い、テレビをつければ、お正月の特番が放送されています。ところが、アメリカでは年が明けると、なんだかあっさりした空気が流れます。日本では三が日はお休みの企業が多い中、アメリカでは2日より通常営業です。
フランス
Bonne année(ボンナネ)
◆フランスの門松はヤドリギ
今では風習が薄れてきてはいますが、新年に飾るのはヤドリギ(gui)です。クリスマスリースのように、ヤドリギを玄関のドアに飾ったりするので、どこか門松に似ています。ヤドリギの下に立ってキスをすると、その一年が幸せになるというケルト人の風習があり、ヤドリギの下では「Au gui, I’an neuf!(オー ギー ラン ヌッフ)」と言って新年を祝うのが正式です。
◆新年を祝う伝統菓子
「ガレット デロワ」は、甘みとコクのあるアーモンド生地をパイで包んだ、フランスでは新年にはかかせない伝統菓子で、中には「フェーヴ」とよばれるチャームがひとつ入っており、切り分けてそれが当たった人は、その一年幸運に恵まれると言われています。
イタリア
Felice Anno Nuovo(フェリーチェ アンノ ヌォーヴォ)
◆1月1日=新年はイタリア発祥!
現在では、世界中の新年が1月1日に始まりますが、今でも中国や韓国、ベトナムなどでは独自の旧正月を1月1日より盛大に祝っています。全世界が1月1日をカレンダー上でお正月としているのは、なんとイタリアのローマ教皇が決めたことでした。
1580年にローマ教皇グレゴリウス13世は、古代ローマ時代の紀元前45年から使っていたユリウス暦の誤差を改良し、グレゴリオ暦を制定しました。これが現在のカレンダーの始まりです。それ以前は、ヨーロッパにも独自のお正月がありましたが、当時のローマ教皇の力は強大だったため、18世紀の終わりにはグレゴリオ暦がヨーロッパ全土に浸透したのです。
◆イタリアの正月料理
イタリアでも日本と同じようにお正月料理があり、一つ一つに意味があります。イタリア全土で食されているものは、茹でたレンズ豆(ヒラマメ)であるレンティッキェ(lenticchie)というお料理です。レンズ豆はお金のような形とみなされ、新年に食べるとお金がいっぱい入ってくると言われています。レンズ豆をトマトソースで煮込んだものが一番伝統的です。
もう一つのラッキー食材は、ザクロ(melograno)です。イタリアのラッキーカラーは赤で、その赤い幸運の実をたくさん食べることで幸運を呼ぶとされ、さらに昔からザクロは忠誠心と繁栄のシンボルとされているためです。そしてザクロもまた、レンズ豆と同じように中身の粒々がお金に見たてられ、新年を裕福に過ごすためでもあります。
スペイン
Feliz Año Nuevo(フェリス アニョ ヌェヴォ)
◆年越しにぶどうを食べる
12粒のブドウは新年の12ヶ月を意味し、深夜0時に鳴る12の鐘の音(ドセ・カンパナーダス)に合わせてブドウを全部食べると、その年は縁起がよいとされます。日本人が年越しそばを食べて縁起を担ぐのと同じように、スペイン人はブドウを食べて縁起を担ぎます。年末前のスーパーや八百屋では、カウントダウンで食べるブドウが目立った場所に陳列され、中には種を抜いて12粒入った缶も売っています。
プエルトリコ
(スペイン語)
◆バケツの水をかける!
日本の「大掃除」と同じように、プエルトリコでも大晦日に家の中をきれいに掃除する習慣があります。日本と異なる点は、大掃除の際に窓からバケツに入った水を勢いよく投げる習慣があるということ。家の中に溜まった一年分の邪気を追い払い、古い年を洗い流して新たな一年を迎えようという意味が込められているそうです。
ブラジル
Feliz Ano Novo(フェリス アノ ノヴォ)
◆夏真っ盛りのお正月
ブラジルのお正月は、大晦日から1月1日に日付が変わる深夜0時ちょうどに、クライマックスを迎えます。ブラジル全国で大晦日のカウントダウン後、花火が打ち上げられ新年を祝うのです。逆に1月1日に特別な料理や行事などはなく、家族が集まり、厳かに過ごす一日です。
◆ブラジルの縁起担ぎ
代表的なものをご紹介します。
〇ザクロの実を7粒食べ、種子を財布に保管します。こうすることで、一年間お金に困らないと言われています。
〇新年にレンズ豆を食べます。富や繁栄の象徴とされるレンズ豆を食べると新しい年も幸運に恵まれると信じられています。
〇新年を迎える瞬間、海に入って7つの波を乗り越えながら、願い事をし、そのまま後ろ向きにビーチに戻ってくると願いが叶うという言い伝えがあります。
〇大晦日に白い服を着て過ごします。白はブラジルの民間信仰の水の女神様を称える色で、新年への願いを込めて身に着けます。
中国
北京語:新年快乐(シンニェン クワイロ)
◆春節
中国では「春節」と呼ばれ、日本の元日にあたる「初一」は2月19日です。街ではにぎやかなお祭りが開催され、家庭では家族で豪華な食事をいただきます。お正月料理は地域によって異なり、北京では餃子が定番です。米を主食とする南の地域では、湯圓(タンユエン)という白玉のような団子の入ったスープをいただきます。
◆中国の書初め
日本の書初めは白い紙を使いますが、中国では縁起を担いで、赤い紙を使います。お正月には福を呼び込む言葉を赤い紙に書いて吊るすのが風習です。
ロシア
С Новым годом(ス ノーヴィム ゴーダム)
◆シャンパンで願い事
クレムリンの午前0時の鐘が12回鳴っている間に、自分の願いを紙に書いて、その紙を燃やし灰をシャンパングラスに入れて、全部一気に飲みます。これを1分間のうちにできたら願いが叶うと言われています。
◆お正月料理はサラダ
ロシアのお正月料理といえば「サラダ」です。一番有名なサラダは、冷蔵庫にあるもの、にんじんやじゃがいも・豆などをマヨネーズで混ぜた「オリビエ」というサラダです。また、「シューバを着たニシン」という料理もあります。シューバはロシアの暖かいコートのことです。ニシンやビーツやじゃがいもなどの野菜とたくさんのマヨネーズを重ねた料理です。
世界の言葉で「あけましておめでとう」
オランダ語-Gelukkig Nieuwjaar!(ヘルキッヒ ニウヤール)
デンマーク語-Godt Nytår(ゴット ニュットオー)
ギリシャ語-Καλή χρονιά(カリ ホロニャ)
ドイツ語-Ein gutes neues Jahe(アイン グーテス ノイエス ヤール)
韓国語-새해복 많이 받으세요(セヘ ボンマニ パドゥセヨ)
ポルトガル語-Feliz Ano Novo(フェリス アノ ノヴォ)
スウェーデン語-Gott nyttår(ゴット ニットオール)
ハンガリー語-Boldog Új Évet Kívánok(ボルドグ ウーイ エーヴェト キーヴァーノク)
トルコ語-Yeni yılınız kutlu olsun(イェニ ユルヌズ クトゥル オルスン)
スワヒリ語-Heri Za Mwaka Mpya(ヘリ ザ ムワカ ムピャ)
モンゴル語-Шинэ жилийн мэнд хургэе(シネ ジリーン メンド フレギー)
インドネシア語-Selamat Tahun baru(スラマット タフン バル)
マレー語-Selamat Tahun Baru(セラマット タフン バル)
タガログ語-Manigong bagong taon(マニゴン バゴン タオン)
ハワイ語-Hau’oli Makahiki Hou(ハウオリ マカヒキ ホウ)
フィンランド語-Onnellista uutta vuotta!(オンネッリスタ ウウッタ ヴオッタ!)
ヘブライ語-שנה טובה(シャナ トヴァー)
アラビア語-كل عام وأنيم بخير(クッル サナ ワ アントゥム ビハイル)
ペルシャ語-سال نو مبارک(サレ ノ モバラク)
クルド語-ساڵی نوێت پیرۆز بێت(サーリー ヌウェット ピロズ ベット)
タイ語-สวัสดีปีใหม่ ครับ/ค่ะ(サワディー ピーマイ クラッ(男性)/サワディー ピーマイ カー(女性))
楽天株式会社:Info seek News
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中国語スクリプト:春節(中国の旧正月)の習慣 より