なるほど豆知識vol.66「冬の夜空を楽しもう!」

なるほど豆知識

2019.11 vol.66 冬の夜空を楽しもう!

「星座」の設定者

 現在、一般的に使われている88個の星座は、20世紀のはじめに国際天文学連合により設定されました。ギリシャ人天文学者プトレマイオスが、古代ギリシャの神話を元にまとめた「プトレマイオスの48星座(トレミーの48星座)」をべースに、16世紀以降に設定された南天の星座が加えられました。

 プトレマイオスの他にも、数多くの天文学者がさまざまな星座を設定してきましたが、最終的に、ラカイユ,バイエル,ヘベリウス,ロワイエ,バルチウス,ティコ・ブラーエらの星座が採用され、現在の88星座が決められています。

 

「星」の明るさ

 星座を形づくる星の明るさは、一般的に「等級」という単位で表されます。

 天文学者ヒッパルコスが肉眼で見える最も明るい星を1等星やっと見えるくらいの暗い星を6等星と決めたのが始まりで、等級が小さい方が明るくなります。1等級ちがうと明るさが2.5倍ちがい、0等星や-1等星などの、より明るい星もあります。冬の夜空に明るく輝くおおいぬ座のシリウスは1等級になります。

 地球から星までの距離はいろいろです。同じ明るさに見える星でも、地球に近い星だったり、遠い星だったり、することもあるのは、星そのものの明るさや大きさが違うからです。星そのものの明るさは「絶対等級」という単位で表されます。これは、星までの距離を同じにした場合の明るさを比べたもので、シリウスは1.4等級、アンタレスは-4.9等級となり、星そのものの明るさはシリウスよりアンタレスの方が明るいのです。

 

「星座」

 おもに、12月~2月頃にかけて、夜に見やすい位置にある星座のことを「冬の星座」と呼んでいます。すみきった夜空には、オリオン座やおおいぬ座、こいぬ座、ふたご座などを見つけることができます。

冬の大三角
 冬の夜空では、明るく輝く3つの星がきれいに並んだ姿が目に付きます。これはオリオン座のベルトにある三つ星です。

 オリオン座の1等星ベテルギウスと、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んでできる大きな三角形を「冬の大三角」と呼び、冬の星座のガイド役ともなっています。

 

オリオン座
 冬を代表する星座の一つであるオリオン座は、狩人オリオンの雄大な姿を表した星座です。きれいに並んだ三つ星やM42オリオン大星雲をはじめとする数多くの星雲や星団があることで知られています。

 ギリシャ神話では、どんな猛獣でも仕留めることができた巨人オリオンの波乱にとんだ物語が何通りも伝えられています。

<ギリシャ神話>

海神ポセイドンの息子オリオンは、美しく力も強い狩人でした。月と狩人の女神アルテミスと恋に落ち、幸せに暮らしていましたが、気性が強く、いつも自分が一番強いと自慢していたため、神々がこれに怒って、オリオンを殺すために1匹のさそりをつかわしました。さそりは猛毒のある針でオリオンの足をさし、さすがのオリオンもさそりの毒には勝てずしんでしまいました。

おうし座
 おうし座は、狩人オリオンに襲いかかるおおきな2本の角を持った牡牛の上半身の姿を表した星座です。おうし座には、日本では「すばる」と呼ばれるプレアデス星団やヒアギス星団があり、小さな星が無数に集まって明るく輝いている姿をみることができます。
<ギリシャ神話>

ギリシャ神話では、大神ゼウスがフェニキア王の一人娘エウロパをさらうときに変身した牡牛の姿と言われています。

エリダヌス座
 エリダヌス座は、星座にはめずらしい川の名前が付いた星座です。オリオン座の足元、1等星リゲル近くから流れ出し、大きく左右に蛇行しながら地平線に消えてしまいます。
<ギリシャ神話>

ギリシャ神話では、音楽の神アポロンの息子ファエトンが、太陽の馬車を走らせている時に、誤って転落して命を落としたのがエリダヌス川と言われています。

おおいぬ座
 おおいぬ座は、猟犬の姿を表した星座です。冬の夜空でひときわ青白く輝く星、おおいぬの口元にあるシリウスは、-1.5等星で、星々の中では最も明るく、古代には神としてもあがめられました。

 

有限会社 ドリームズ・カム・トゥルー:スタディスタイル★自然学習館  より