なるほど豆知識
2015.10 vol.31 お茶を知り、楽しもう!
温かい物が恋しい季節になってきました。朝、少し早めに起きて
温かいお茶を飲み、ほっとするのもいいですよね。みなさんは、 「お茶」について深く考えたことはありますか? 今回は「お茶」についてご紹介していきます。 |
日本にお茶が伝えられたのはいつ?
中国で生まれた喫茶の風習が日本に伝わったのは、 遣隋使や遣唐使が中国に渡るようになった7世紀ごろ からと考えられています。このころのお茶は、茶の葉 を蒸してもちのようについて固めた団茶(餅茶)で、 粉末にしてお湯に入れて飲んでいました。 しかし、庶民にはまだ普及しておらず、ごく一部の 宮中や僧侶の間でしか口にすることができない貴重なもの でした。 |
鎌倉時代には、お茶を薬に?
平安朝以後、動乱の時代を迎え、喫茶の風習は次第に消えつつあり
ました。13世紀初め、禅とともに再びお茶を広めたのが、栄西禅師 です。栄西は、お茶の効用に注目し、将軍源実朝の二日酔いを一服の お茶で治したというエピソードも残されています。
←栄西禅師 |
庶民がお茶を飲むようになったのはいつ?
江戸時代、宇治の“新茶”は大名行列並みの”お茶つぼ行列“に守られながら
江戸へ運ばれていました。当時の「お茶」がいかに貴重品だったかがうかがえます。
将軍たちが手厚く保護した「抹茶」に対して、「せん茶」の生産が行われるように
なったのは江戸時代のこと。やっと庶民の間にもお茶を飲む風習が広まっていきました。
お茶の効用を知ろう!
カテキン | カテキンは緑茶の渋み成分でタンニンの一種です。抗酸化作用・抗菌
作用が有名ですが、その他にも消臭・コレステロール上昇抑制・抗アレ ルギーなどにも効果があると言われています。 |
カロチン | ニンジンで有名なカロチンは抗酸化活性作用があり、緑茶にはそれら
緑黄色野菜の数倍はあると言われています。ただし、カロチンはお湯に 溶けにくいので、抹茶としてや、粉末茶、あるいは茶葉を食べること などにより、多く摂取できます。 |
カフェイン | コーヒーの代名詞のようなカフェインはお茶にも多く含まれて
います。カフェインは眠気覚ましや気分をすっきりさせるなどで有名 ですが、他にも強心作用、利尿作用などがあります。 |
ビタミンC | ビタミンCはストレスに対処する物質のひとつで、これもお茶に多く
含まれています。ただし、発酵によってビタミンCは失われてしまいま すので、発酵茶である紅茶や半発酵のウーロン茶にはほとんど含まれて いません。不発酵の緑茶には多く含まれています。 |
ビタミンE | 抗酸化作用や血液循環、免疫機能増進があると言われています。
これもカロチンと同様、お湯(水)に溶けにくいのですが、粉末茶など で摂取できます。 |
フッ素 | フッ素は歯の表面のエナメル質を強化し、歯が乳酸で溶けないように
働くと言われています。お茶にもこのフッ素が含まれています。食後に 口中をきれいにするために番茶でのうがいは効果的です。 |
この他にも、口臭予防のあるフラボノイド、虫歯予防のポリフェノールなどが
含まれています。
日本茶をおいしく入れよう!
おいしくお茶が出る量を茶葉の種類別に知っておく
美味しいお茶を入れるには、まず茶葉の種類ごとに、適量を 知ること。せん茶なら、大さじすりきり1杯くらいで2杯分 までのお茶を出すことができます。一方、茶葉が大きく広が ったほうじ茶は大さじ山盛り2杯でお茶1杯分。また、同じ せん茶でも葉が細かい深蒸しは気持ち少なめに、葉の大きい 浅蒸しは多めに入れます。 |
せん茶はやや低めの温度でゆっくり甘みを出す
せん茶の甘い味わいを楽しむなら、お湯は少し冷ま してから、がコツ!沸騰したお湯を人数分の湯飲みに それぞれ八分目まで入れ、湯飲みを温めつつ、お湯を 冷まします。湯飲みがさわれるくらいになったら、 お湯を茶葉の入った急須に入れる。ただしほうじ茶は 熱めのお湯を湯飲みに入れ、すぐに茶葉の入った急須に 移し、香りをぐっと引き出します。 |
茶葉を保存しよう!
茶葉は外気に触れるとすぐに酸化し、味や香りが落ちてしまい ます。また、ニオイを吸収しやすいため、開封口をテープなどで とめ、冷凍用ポリ袋に入れて冷凍庫で保存するのが基本。常温に戻し てから開封すれば、風味も落ちません。 |
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