なるほど豆知識
2016.9 vol.42 コーヒーを知り、楽しもう!
みなさん、コーヒーはお好きですか?豆の種類や淹れ方によって、
全く違う味が楽しめるコーヒー。今回はコーヒーの生い立ちや豆知識を ご紹介していきます。 |
コーヒーの歴史
もともと野生の木だったコーヒーに、どうして人々は気づき、生活に浸透させて
いったのでしょうか。コーヒーにまつわる逸話は多々ありますが、なかでも有名な
エピソードをご紹介します。
<シーク・オマールの伝説[イエメン・オウサブ]>
イスラム教の聖職者シーク・オマールは、疫病が流行って いたモカの町で、祈祷を捧げ、多くの人の病気を癒していま した。ある時、モカ王の娘が病気にかかり、オマールが祈祷を 捧げたところ病気は治りましたが、美しい娘に恋をした オマールはオウサブという山中に追放されてしまったのです。 |
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洞窟で暮らし、食べ物も満足になかったオマールはある日、美しい羽根を持った小鳥
が木に止まり、陽気にさえずるのを見ました。そして、手を伸ばした木の枝先には 赤い実がついていました。空腹だったオマールが、その実を口にしたところ、 たいそう美味でした。彼はたくさんの実を洞窟へ持ち帰り、スープをつくりました。 それを飲むとたちまち爽快な気分になりました。その後、オマールが見つけたこの 不思議な飲み物の噂は町へ伝わり、オマールは町へ戻ることを許されました。 |
コーヒーの生い立ちを伝える話は、この他にもたくさんありますが、どうやら
最初はイスラム教の僧侶の眠気覚ましの妙薬として広まったようです。また、今から
およそ1千年前、アラビアの都バグダットの王立病院長だったラーゼスという人は、
「古来、エチオピアに原生していた灌木(かんぼく)、バンの種実(豆)を砕いて
煎出した汁液バンカムは、一種の薬として胃に良い」と書き残しています。バンは
コーヒーの木のことですが、当時は薬として、とても珍重されていました。
喫茶店のルーツ
~煮出すコーヒーからドリップへ~
◆世界最初のコーヒー店の誕生◆ |
アラビアを起源にイスラム教全土へと広まったコーヒーは、1510年頃、カイロに
世界初のコーヒー店を出現させ、1554年には、トルコの首都コンスタンチノープルに
「カヴェー・カネス」という著名なコーヒー店を誕生させています。この当時、
トルコでは、コーヒー豆を煎り、それを石臼で挽いて煮出して飲む方法が広く親し
まれていました。
◆喫茶店のルーツは無料試飲の店◆ |
ヨーロッパにコーヒーが本格的に普及することになったのは
ロンドンのトルコ人貿易商ダニエル・エドワードが、トルコ から連れ帰ったパスカ・ロゼにコーヒーをいれさせ、お客にも 振る舞っていたところ大評判となり、1652年にコーヒー店を オープンしたのがきっかけになりました。異国の飲物である コーヒーの珍しさと独特の風味にひかれて大変な賑わいを 見せました。これが近代的な喫茶店の誕生と言われています。 |
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しかもこれが、わずか10年で2000軒のコーヒー店をロンドン市中に林立させる
という、熱いブームの発火点ともなったのです。ただし、この頃のコーヒーは依然と して煮出して飲むターキッシュ・コーヒータイプでした。 |
◆名もないブリキ職人の大発明◆ |
フランスでもコーヒーはまたたく間に普及しましたが、
フランスはコーヒーの近代化に重要な貢献をしました。 ドリップ式の考案です。しかも、この方式を考え出したのは、 驚くべきことにひとりの名もないブリキ職人だったのです。 ポットの中にたらした布袋にコーヒーの粉を入れ、熱湯を注い で浸透させる器具の発明によって、煮出すコーヒーから 漉(こ)すという、近代のコーヒーの基盤が編み出されたの です。それは1763年、まさにコーヒーの一大革命でした。 |
コーヒーは薬の代わり!?
血糖値を下げる!
週5杯以上飲む人は、全く飲まない人に比べて糖尿病になるリスクが0.61倍まで 減少したという研究結果があります。コーヒー成分のカフェインや抗物質酸化物質 のクロロゲンは、糖尿病予防になり、血糖値の上昇を抑え、血糖値を下げる インスリンの効果を上げます。 |
動脈硬化に効果あり!
動脈硬化は色々な病気の原因となりますが、コーヒーを飲むことで、善玉コレス テロールを増やす働きがあるという事が明らかになりました。血液中のコレステ ロール値を下げ、動脈硬化を予防します。 |
疲労回復にもってこい!
カフェインには、刺激作用があり緊張をもたらします。その為、脳や体の動きを スムーズにし、疲労回復や目覚ましに効果があります。 |
利尿作用があります!
カフェインは、肝臓に働きかけて体内の代謝を活発にさせる利尿作用の効果が あります。 |
頭痛・二日酔いに聞く!
カフェインには鎮痛作用があるので頭痛や二日酔いに優れた効果を発揮します。 |
カフェインは身体にいい!?
以前は「カフェインには発がん性がある」と言われていた事もありましたが、
様々な研究の結果、現在では「カフェインには発がん性はない」という見解が
一般的になっています。
【カフェインの効用】
●気管支喘息や狭心症の改善に作用する ●精神機能・知覚機能を刺激し、眠気・疲労感を取り除き思考能力や集中力を増す ●中枢神経に作用して呼吸機能や運動機能を高める ●胃液分泌を促進し、消化を助ける ●二日酔いの原因物質を排泄させるので、二日酔いによる頭痛に効果的 ●脳内の血流を良くする事で、偏頭痛をしずめる |
などなど、様々な作用があります。コーヒーは肉体的にも精神的にも効用のある
飲み物であり、多くの人々に愛飲されています。
味や香りはコーヒー豆、淹れ方、様々な要素が複雑に絡み合って完成します。
おいしくコーヒーを楽しみましょう。
キーコーヒー株式会社:コーヒーの歴史
株式会社チモトコーヒー:コーヒーの豆知識 より