なるほど豆知識
2019.9 vol.64 「十五夜」とは?お月見を楽しもう!
「十五夜」とはいつ?
十五夜は「中秋の名月」とも呼ばれ、「秋の真ん中に出る月」という意味があります。かつて使われていた旧暦では、7~9月が秋でした。そのため、秋の真ん中は8月で、さらに8月の真ん中、15日頃が「中秋の名月」です。現在の新暦は旧暦と1~2か月のずれがあるため、「9月7日から10月8日の間で、満月が出る日」を十五夜としています。
2019年の十五夜:9月13日(金)
十五夜の歴史
日本では太古の昔から月を神聖視していました。十五夜ではありませんが、縄文時代には月を愛でる風習があったといわれています。十五夜の月見が盛んになったのは、平安時代。貞観年間(859~877年)頃に中国から伝わり、貴族の間に広まりました。貴族たちは空を見上げて月を眺めるのではなく、水面や盃の酒に映った月を愛でました。
庶民も広く十五夜を楽しむようになったのは、江戸時代に入ってからだといわれます。貴族のようにただ月を眺めるのではなく、収穫祭や初穂祭の意味合いが大きかったようです。十五夜の頃は稲が育ち、間もなく収穫が始まる次期。無事に収穫できる喜びを分かち合い、感謝する日でもありました。
お月見をもっと楽しもう
十三夜(じゅうさんや) |
![]() 十五夜の事を「中秋の名月」と呼ぶのに対して、十三夜は「後の名月(のちのめいげつ)」と呼ばれます。また、十三夜は十五夜の後に巡ってくるので「後の月(のちのつき)」と呼ばれたり、栗や大豆・枝豆をお供えすることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれています。十五夜はあまりすっきりしない夜空が多いのに対して、十三夜は晴れることが多いようで、「十三夜に曇りなし」という言葉もあります。
2019年の十三夜:10月11日(金) |
十日夜(とおかんや) |
![]() 2019年の十日夜:11月6日(水) |
十五夜のお供え物



お月見泥棒
昔、中秋の名月の日だけは、他人の畑の芋を盗んでも良いという風習がありました。他人の畑の芋を、盗めるだけ盗む!というものではなく、「道から片足だけ踏み込んだ範囲」という暗黙の約束があったそうです。
芋を盗まれても「お月様が持って行ってくださった」ということで縁起が良く、盗まれた畑は農作になるともいわれるようになり、子供たちたちは月の使者と考えられていたことが結び付いて「お月見泥棒」という風習が出来あがったといわれています。盗んだお団子を食べた子どもは長者になる、七軒盗んで食べると縁起が良いともいわれています。現在では「お月見くださーい」「お月見泥棒でーす」などと声をかけて各家を回り、お菓子をもらう風習が残っています。
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日本文化研究ブログ:お月見どろぼう2019年はいつ?どんな風習?起源や発祥とは?どこの地域のイベント? より