なるほど豆知識
2015.3 vol.24 花粉症をもっと知ろう!
この時期、花粉症の方はとてもつらい季節ですね。
少しでも症状を軽くするために、今回は「花粉症」についてご紹介します!
花粉は一年中飛んでいる!? 季節性と通年性 アレルギー性鼻炎について |
「花粉症」 とは、花粉をアレルゲンとする「季節性アレルギー性鼻炎」のこと。
原因となる花粉は春だけでなく一年中飛んでいるので注意が必要です。
一方、季節に関係なくハウスダストなどが原因で発症する鼻炎を
「通年性アレルギー性鼻炎」といいます。アレルギー性鼻炎の対策は、
まず原因を知ることから始めましょう!
アレルギー性鼻炎患者は増加傾向!? 調査によると、アレルギー性鼻炎の患者数は 「通年性アレルギー性鼻炎」、「季節性アレルギー性鼻炎」ともに 以前と比べて有病率が増加しています。 |
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鼻アレルギー診療ガイドライン2013年版(ライフサイエンス社) |
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症) |
季節性アレルギー性鼻炎を引き起こす花粉は一年中飛んでいます。春先のスギや
ヒノキだけでなく、夏のシラカンバ、秋のブタクサ、冬のカナムグラなど、
地域や季節によって異なります。
スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギなどアレルギー性鼻炎の原因となると
いわれている8種類の花粉の飛散時期を調査したところ、全体的にみて冬の
飛散量は少ないものの、スギやイネの花粉は年末から年始にかけても
飛んでいます!スギ花粉にいたっては、飛散していない時期が7・8月しかない
という驚きの結果です。
○鼻炎症状を引き起こす植物○
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★花粉症の予防方法★
花粉症はどのように予防すればよいか、花粉症の予防方法を見てみましょう。
花粉を吸う量を減らす予防 | |
マスク | マスクは吸い込む花粉の量を減らし鼻の症状を少なくさせる
効果が期待されます。 |
うがい | うがいをすることで、のどに流れた花粉を除去しましょう。 |
洗顔 | 外出先から帰ってきた際には、洗顔を行い、顔についた
花粉を落としましょう。 |
服をよく払う | 外出先から帰った際や洗濯物を取り込んだ際には、衣服の
表面についた花粉をよく払いましょう。 |
通年性アレルギー性鼻炎 |
通年性アレルギー性鼻炎は、季節と関係なく年中続くアレルギー性鼻炎です。
アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)は、人によって様々ですが、
主にハウスダスト(室内塵)が原因とされています。
ハウスダストとは?
室内塵のことで、アレルギーを引き起こす原因物質 (アレルゲン)となるヒトやペット等の動物の皮屑(フケ)、 カビ、ダニ、細菌などがいくつか混合したものです。 近年では冷暖房の普及や住宅の密閉化により増加している と言われています。 |
花粉症をもっと知ろう!
北海道と沖縄にスギ花粉が少ないのは、
戦後の復興事業が関係している!?
戦後、全国の山林では、建材としての使用や治水を目的にスギの木の植林が
行われました。しかしその後、価格の安い木材の輸入が盛んになるにつれ、
スギ樹木林の手入れがおろそかになり、1960年代後半から花粉生産量の多い
樹齢30年以上のスギ林の面積が広くなり、1970年代に入り患者数が急増しました。
しかし、その植林は北海道と沖縄では行われなかったため、その影響を
受けずにすみました。
スギ花粉症患者が日本一少ない北海道。
でも、通年性アレルギー性鼻炎の患者数は一番多い!
戦後に植林活動が行われなかったことに加え、北海道のスギ花粉の飛散期間は
本州よりも短いといわれているため、スギ花粉症の患者数は日本一少ない。
しかし、通年性のアレルギー性鼻炎患者数は日本一多いのです。寒冷地ならではの
気密性の高い家屋や、寒さによる換気の少なさが患者数を増やしている要因かも
しれません。また、北海道にはシラカバが原因という独特のアレルギー性鼻炎も
あります。北海道にお住いの人で鼻ムズに悩んでいる人は、通年性アレルギー性
鼻炎かシラカバによるアレルギー性鼻炎の可能性があるそうです。
朝がつらいと1日に影響!?
花粉症のモーニングアタック
~モーニングアタックとは~
花粉症などのアレルギー性鼻炎の人の起きがけに、発作的にくしゃみや鼻水などの
鼻炎症状が表れることをさします。多くの調査でも花粉症の人の多くが「朝」の時間
にひどい症状に悩まされていることが多いとされています。また、その朝の不調が、
1日の生活に悪影響を及ぼしているという実態も明らかになってきました。
花粉シーズンは朝のスタートダッシュがなかなか うまくいかないようですね。気持ちよく1日を過ごすには、モーニングアタックの対策が肝心です。「モーニングアタック」対策は知ることから! |
~なぜモーニングアタックが起こるのか~
モーニングアタックが起きやすい理由として、
①夜間、床の上に落ちた花粉やハウスダストなどを吸い込むため |
②起床時や布団をたたむ際に、アレルギー性物質が空中に舞い上がるため |
③起床時に自律神経が副交感神経優位から交感神経優位の状態に
切り替わることによって、一時的にバランスが乱れて鼻が 刺激過敏になるため |
④朝の鼻水の中に、(炎症の誘導について中心的な役割を担う)好塩基球
が増加するため |
などの説が挙げられています。
しかし、モーニングアタックは花粉の侵入の少ない室内においても、花粉症の症状が
朝にみられることから、前述の①②よりも③のような自律神経のバランスの乱れが
主な原因と考えられています。
アレルギー専用鼻炎薬「アレジオン10」【エスエス製薬】 より