なるほど豆知識
2020.2 vol.69 チョコレートを知り楽しもう!
カカオ豆とは?
カカオ豆はチョコレートやココアの主原料で、カカオの樹の果実の中にある種子のことです。
『テオブロマ・カカオ』
学名は、あおぎり科 テオブロマ属 カカオ
Stercurliaceae Theobroma Cacao(Linnaeus)
テオブロマとは、≪神様のたべもの≫という意味で、メキシコ・アステカ族の神話に由来します。昔は、王様や貴族あるいはお金持ちだけの貴重な食べ物でした。
カカオの栽培地域
カカオは、赤道の南北緯度20度以内、年間平均気温27℃以上の、しかも年間を通じてその上下する範囲がすごく狭い、高温・多湿な地方で栽培される熱帯植物です。
産地は、西アフリカ、東南アジア、中南米です。
カカオの樹
カカオの樹は常緑樹ですが年間を通じて落葉し、半日蔭を好みます。直射日光にさらされて、蒸発が強くならないようにする必要があり、カカオの樹の周りにはシェードトリーといわれる覆いとなる樹を植えているのが多く見られます。成長すると、高さは7~10m、幹の太さは10~20cmになります。
枝だけでなく、幹にも実のなるちょっと風変わりな樹です。 |
ホワイトチョコレートはなぜ白い?
◆ホワイトチョコレートの原料
ホワイトチョコレートは、「ココアバター」「砂糖」「ミルク」を元に作られています。この材料は普通のチョコレートと同じです。
◆どうして白いのか?
白い理由は、カカオの使用方法にあります。製造工程においてココアバターからチョコレートの特徴とも言える苦味成分である「カカオマス」を除去しています。カカオマスとは、チョコレートの原料となるカカオ豆を、発酵→乾燥→焙煎→砕く→冷やす→固めるという一連の工程の中でできたもののことをいいます。
一般的なチョコレートの場合はこのカカオマスに砂糖やミルクを加えて作るため、甘さの中にも程よい苦味が感じられます。
ホワイトチョコレートは苦みやチョコレートの色の元となるカカオマスは使用せず、ココアバターに残りの材料を加えることによって作られます。そのため、白くより甘い味わいになります。
◆本当にチョコレート?
ホワイトチョコレートにはカカオマスが含まれていませんが、それでもチョコレートと呼べるのでしょうか?
日本のチョコレートは、公正取引委員会によって「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」という決まりがあります。それによると、カカオ成分が35%以上含まれているものとされています。カカオ成分とは、カカオマスとココアバターによって構成されているもののことで、これらの合計が35%を超えていれば、その配分にかかわらずチョコレートになります。
つまり、カカオマスが0%でも、ココアバターが35%以上ですとチョコレートとなるのです。
カカオ豆はたったの3種類!
病害に対する抵抗力がとても弱く、栽培するのが困難で現在では絶滅に瀕しており、幻のカカオと言われ、生産量は全体の3%以下と非常に希少なカカオの品種です。 豆の形は細長くふっくらとしていて、白・黄紫色をしています。香りは繊細でフルーティー、苦味が少なくマイルドな味わいです。
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◆フォラステロ種(Forastero)◆
フォラステロとはスペイン語で「よその土地の」「よそ者」という意味があります。原産地は南米のアマゾン川上流地域やベネズエラのオリノコ流域といわれています。 生長がはやく、病気や害虫への抵抗力が強いので栽培がしやすい品種です。 豆はやや小粒で丸く、濃い褐色をしています。はっきりとした刺激的な香りがして、渋みと苦味が強くコクのある味わいがします。 世界での生産量は85%を占めていて、ベースビーンズとして用いられています。
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◆トリニタリオ種(Trinitario)◆
トリニタリオ種は、クリオロ種とフォラステロ種の交配でできた品種です。カリブ海のトリニダード島で生まれたことからトリニタリオと名前がつけられました。
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日本チョコレート・ココア協会:カカオ豆とは
旅するおかし:カカオ豆はたったの3種類!希少すぎるクリオロ種ってなに?
株式会社トラストリッジ:なぜかチョコなのに白い…ホワイトチョコの原料ってなぞすぎない? より