なるほど豆知識vol.70「いちごを食べよう!」

なるほど豆知識

2020.3 vol.70 いちごを食べよう!

 

 いつからべられている?

 日本で食べられるようになったのは江戸時代末期の1830年代といわれています。

 いちごはオランダ船によって持ち込まれたので、当時はオランダイチゴと呼ばれていたそうです。その後、明治時代に農業が近代化されるにつれ、欧米から様々な種苗が導入されるようになり、1900年頃には外国品種を使った営利栽培が始まっています。

 いちごが一般的に食べられるようになったのは、戦後になってからのことです。特に1960年以降は、ビニールハウスが発達し、ハウス栽培が盛んになったことで生産量が増え、価格も下がり庶民に広がりました。

 

 野菜果物

 園芸学では、木の実(木本性)は果物(果樹)、草の実(草本性)は野菜と分類します。草本性であるいちごは野菜です。

 また、農林水産省の作物の統計調査でも野菜に含まれています。

 しかし、実際は果物と同じように食べられていることから、「果実的野菜」とも呼ばれています。

 植物学的には、バラ科の植物に属しています。

 

 

 いちご表面のツブツブ 

 いちごの表面にあるツブツブは種ではなく、一つ一つが「果実」です。それぞれの果実の中に種が入っています。一粒のいちごは、200~300個の果実が集まった「集合果」。私たちが果実だと思って食べている甘い部分は、実際は茎の先端の花床(カショウ)が膨らんだ偽果(ギカ)です。

 

 

 豊富な栄養成分 

風邪予防やアンチエイジングに効果的

 抗酸化作用があり、免疫力を高める「ビタミンC」はみかんやグレープフルーツの約2倍含んでいます。5~10粒のいちごを食べることで、一日に必要なビタミンCが補えるといわれています。

 

高血圧やむくみ解消に役立つ

 余分な塩分を体外に排出するといわれる「カリウム」を多く含みます。芋類や海藻にも多く含まれますが、「煮る」ことで煮汁に溶け出してしまうため、そのまま食べる果物は効率的に摂取できます。

 

貧血の予防や改善に期待

 「造血のビタミン」とも呼ばれる「葉酸」が豊富。また葉酸は記憶力の衰えや物忘れの予防にも役立つとされます。

 また「ビタミンC」には鉄の吸収率をアップさせる効果もあり、いちご自体にも少量の鉄が含まれています。

 

視力回復や虫歯予防に効果的

 ポリフェノールの一種で、視力回復や眼精疲労改善に役立つといわれる色素成分「アントシアニン」を含んでいます。

 また、いちごのすっきりとした甘さは、虫歯予防に効果的といわれる「キシリトール」によるものです。

 

 

 いちごで美肌!

コラーゲンこそ、美タミンC!
 健康な肌とは、コラーゲンによってできた層に水分と油分が過不足なく保たれている状態です。コラーゲンが常にいきわたっていることが健康な肌を保つための決め手となります。このコラーゲンの生成に関与している栄養素がビタミンCです。ビタミンCを十分取っていると強くてしなやかなコラーゲンが作られるとともに、そのコラーゲンが正常な状態で維持されます。

 そこで、ビタミンCを豊富に含むいちごは、まさに「美タミンC」の代表選手!夏の疲れが残っているお肌には、冬から春の間に、いちごで内側からの美肌ケアがおすすめです。

紫外線にもいちご!
 肌細胞にダメージを与え、肌トラブルの原因を招くのが活性酸素です。特に気をつけたいのが、紫外線。紫外線によって、体内で活性酸素が発生すると、シミやシワなどの肌老化の原因に…。

 この活性酸素に対抗する成分は、抗酸化成分と呼ばれ、代表的なものにビタミンA,ビタミンC,ビタミンEがあります。特に柑橘類に多いビタミンCには、メラニンを作る際に働くチロシナーゼという酵素の動きを抑える効果やコラーゲンの生成を助ける作用があります。

便秘にもいちご!
 いちごは、食物繊維やクエン酸、ぶどう糖なども豊富です。特に、いちごのリンゴ酸は新陳代謝を活発にし、腸の働きを良くして便通をスムーズにしてくれます。

 また、クエン酸もリンゴ酸と同様に腸の中の悪玉菌を抑え、腸の働きを整えてくれます。朝食などにおすすめです。

 

 美味しいいちごの見分け方

 いちごの美味しい見分け方のポイントは3つ!

「色」…全体的にまんべんなく赤色である。

「ツヤ」…ピカピカ光っていればベスト。

「香り」…いちごらしい甘い香りがすればOK。

 また、ヘタにも注目してみましょう。きれいな緑色で、反り返るほどピンと張っていれば、それは美味しいいちごのサインです。反対に、ヘタが茶色っぽかったり、黒っぽかったりするのは、新鮮さにかけ、栄養も十分ではないので要チェックです。

 

 

 傷んできたら

 せっかく買ったのに傷んできた…。そんな時、捨ててしまう前に「レモン水」のご準備を!

 レモン水の中で軽く転がすようにして洗うと、傷んだいちごの細胞がレモン水の酸で引き締まり、鮮度がよみがえってきます。ぜひ、お試しください!

 

 

 

 

農林水産省:いちごのあれこれ豆知識
株式会社 日京クリエイト:甘くておいしいだけじゃない!?いちごの効果と効能とは
いちごの国から  博多あまおう  JA全能ふくれん:不思議がいっぱい!いちご大辞典    より